eラーニングマガジンに関するお問合せ、ご質問等は下記までご連絡ください。
eラーニングマガジン編集部

elmag2@nextet.net

特集3:ITプロフェッショナル人財を効率的・効果的に育成!中国サンネット キャリア形成支援システム「e-人財」
株式会社中国サンネット 常務取締役 管理本部統括兼事業開発本部長
坂本 達雄(プロフィール
 昨今どの業界でも「これからの経営は人財が重要なファクター」と叫ばれています。eラーニングマガジン編集部:(以下、編集部:)では「経営は人財」というコンセプトと「ITスキル標準(以下、ITSS)」を中核に、ITプロフェッショナル人財を効率的・効果的に育成することのできるシステムを開発・販売している株式会社中国サンネット 常務取締役 管理本部統括兼事業開発本部長の坂本達雄氏にインタビューを行いました
 
編集部本日は、ご多忙の中ありがとうございます。早速ですが、まず、キャリア形成支援システム「e-人財」を開発された経緯や背景についてお伺いしたいと思います。

坂本達雄氏「これからの経営には人財が重要なファクターである」といわれています。まずは【図1】をご覧いただきながら説明させてください。

編集部はい。

坂本達雄氏「e-人財」を開発したのは2002年頃なのですが、ITSS Ver.1が発表されたのがちょうど同年12月でした。その頃、この業界、つまり情報処理業界の発展を支えるのは「人財」だと、どうみても人財の発展にかかっていると、私も含め会社も考えるようになりました。人は企業にとって「財産」であるということは従来から言われていることですが、「それでは、従来の人材育成のあり方でいいのか」という問題が急浮上してまいりまして根本的に見直しを行ったのです。その調査結果が【図1】の「市場の変化・求められる人材は?」というところにまとめてあります。

編集部「企業・個人どちらにたいしても、プロフェッショナルな人財が求められている」と記載されていますね。

坂本達雄氏はい。「コンピュータ」というものが出てきてから、オープン化の波を経てきてもですね、この人財に関わる育成、スキルという面での育成、組織・マネジメント面の育成があるわけですけど、こと人材育成に関しては、どちらも従来の慣習的な人材育成を踏襲してきている、非常に古い状態でした。それと、今の世の中の変化を比べたときに、それで果たして間に合うのかどうかと。とくに、用途・技術の多様化による激しい競争、お客様から見たときの専門分化――それぞれのお客様に対してどれだけ応えることができる人財が育っているのかどうか、つまり他社との差別化との関連に関わってくる要素です。急激に変化していく環境の中で、その時々にしっかり対応できる人財を輩出していかなければならない。そして、会社は成果主義。やはり「成果」を求められる。以上のようなことを鑑みて、結果的に「プロフェッショナル」を求めてられていることは明白であるというのが結論でした。世の中はそういう人財を求めている、お客様もそういう人財をもとめている。そして、会社も、成果主義という観点から見れば、結果を出せるプロフェッショナルを求めている。そういうことを考えると、従来の古臭い人材育成方法で、世の中の変化に対応できる人財を育成できるかと……。世の中の変化に対応できなければ会社としても駄目ですし個人も駄目です。言ってしまうと、従来の人材育成のやり方では、上司のいう仕事だけを部下が受身でこなしていって、10年後には捨てられたと……。残念ながらそういうことが出てくるわけです。その方の人生を潰してしまうだけでなく、会社としても硬直した状態になり、結果として事業自体が運営できなくなります。

編集部これは、企業にとって人財の損失だけでなく、企業存亡の危機ですね。

坂本達雄氏そうです。当時、本当に大きな転換期を迎えているという実感がありました。そこで、今後の人材育成は、どのようなスタイルが望ましいのかを真剣に考えることにしたのです。少なくとも従来の人材育成のあり方は駄目だとわかっていましたから。そこで考えた結果が【図2】になります。

編集部"キャリア形成支援システム"の原点ですね。

坂本達雄氏はい。1つは「プロフェッショナル」としての人財、自立して自らが率先してスキルやサービス能力を研鑽していく人財です。しかし、いくら「プロフェッショナル」でも会社の事業に貢献できる人財でなければ意味はありません。また、社会一般からみても「プロフェッショナル」と認められなければいけません。そこで、"キャリア形成支援システム"の基本機能として、「1.事業戦略とリンクした仕組み」があること、「2.自立的にキャリア形成ができる仕組み(・自分のキャリアパスが選択できる/・自ら能力向上を図っていくことができる)」があること、「3.スキルの指標を『実務能力』で捉える仕組み(要素スキルを最適に選択・統合・適用し課題解決する総合的な能力で捉える)」という3つの考え方、視点を取り入れて仕組みを作ることにしました。

編集部なるほど。

坂本達雄氏厳しいように聞こえるかもしれませんが、私は、「スキル=商品」というふうに位置づけて説明しています。よくいうのですが「あなた自身が"商品力"を磨きなさい」と。「あなたがた1人ひとりが商品なのですよ」と……。私たちの商品は、ITを主力とする「知識、技術、ノウハウ」で、そういうものを持っていないといけない。そして、これらの要素を1人ひとりが持っているか持っていないか、そしてどれだけ経験しているか経験していないかなどの総合的な能力――これがどれだけあるかによって、あなたの価値が決まるのですよと。そして「商品力」が高い低いというのは、一流の社員か二流の社員か、上級か中級かというのは明らかにわかるでしょう。つまり、まあまあなサービスしか提供できないのか、きめ細かで気配りのできたサービスができたかどうかですぐわかります。そして、これがいわゆる「商品の質の差」となって現れ、自ずと価格・対価が変わってきます。テレビに喩えると、映像は映ります。しかし、映像の美しさや細やかさ、音のよさは、それぞれ違い、自ずと値段も違ってきます。それと同じでしょうと……。だから「商品力」をあげろと。「e-人財」は、これらのような新しい動きをしないと時代に取り残されてしまうといってスタートしたのです。

編集部かなり思い切った大きな転換をされたのですね。

坂本達雄氏はい。もう頭を"ピッ"と切り替えないと駄目だと。そう決意して取り組みました。そして、社員にも、上から言われたことをただこなすだけでは駄目だと口うるさく言っています。会社・社員は、事業方針、人材育成に関する展望、どういう仕事をしていくのか、そういったことをちゃんと双方が出し合い理解・納得していかないといけない。また、話は少し変わりますが、キャリア形成をどこの場でリンクしてやるのか。私は「仕事を通してそれを実現しなさい。仕事を自分のものとして捉え創造性を持って取り組み、手段としてスキルや資格を身に付けていきなさい」といっています。ここが大切なのですが、例えば従来の集合研修。「資格も取れますよ」という謳い文句につられて暇な人はよく行く傾向があるようですが、逆に忙しい人(仕事ができる人が多いのですが)は行けない。それはやはりおかしいですよね。生きたスキルの習得にはなりません。だから、厳しいようですが、仕事を通して身に付けていくことを推奨しています。そのようなことを基本的な理念や柱として、じゃあ、それに合う仕組みを作ろうと……。そして出来上がったのが、キャリア形成支援システム「e-人財」です。そして、そのときに指標になったのがITSSです。

編集部なるほど。
 
next
 
Copyright©2006 Next Education Think.All Rights Reserved.
掲載の文章・画像の無断使用・無断転載を禁止します。
特集1:小誌編集長 Mr.サイトウが直撃インタビュー! 日経HR服部光訓氏に聞く 就活を”社会人としてのコミュニケーション力可視化”から支援せよ!
   
特集2:小誌編集長 Mr.サイトウが直撃インタビュー!日本のITに未来はあるのか。加速する受験生の「工学部離れ」を検証する。前編
   
特集3:ITプロフェッショナル人財を効率的・効果的に育成!中国サンネット キャリア形成支援システム「e-人財」
(2)
   
特集4:現場の事例で学ぶマネジメント連載 ヒューマン・マネジメントのテクニック(21)