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会場の様子
 2004年3月9日(火)、文京区の後楽園会館にて、ネクストエデュケーションシンク社が主催する「ITスキル標準(ITSS)導入特別セミナー(第1回)」が開催された。定員250名のところ満員となり、ITSSに対する企業の関心の高さが伺えた。経済産業省の策定した指標を民間に普及させるITSSユーザー協会の活動内容を始め、実際の人事やIT人材の育成管理にITSSを取り入れている企業の導入事例や、テクニカルスキル診断ツールの活用例など計8つのセクションで紹介され、非常に充実した内容であった。

 当セミナーではITSSを推進する立場と活用する立場から、または教育ベンダーとエンドユーザから、それぞれの立場に応じたさまざまな事例や貴重な情報が紹介された。順に概略を追ってみる。

■「ITSSユーザー協会の活動とその目的」
ITSSユーザー協会 専務理事 高橋 秀典氏
ITSSユーザ協会 高橋氏
ITSSユーザ協会 高橋氏

日本のIT人材育成で、これまで共通の尺度がなく企業独自の取り組みしかなかったものを、スキルの体系化・明確化により共通の指標を提供するITSS。ITSSユーザー協会はそのITSSの普及から日本のIT技術者のあり方を考えることをベースに、さらに踏み込んだ具体的実践の活動をおこなっており、企業の経営戦略による人材像の定義とスキルの棚卸しによる人材スキルデータを合わせて活用するノウハウを提唱している。
 協会は「標準スキル部会」、「スキルアセッサー部会」、「情報サービス部会」、「特別プロジェクト」の4つの部会で構成される。さらにその中に7つのワーキンググループがあり、「スキル定義WG」、「実証・研究WG」、「アセスメント手法WG」、「キャリアデザインWG」、「教育・研修WG」、「情報・交流WG」、「経済産業省特別プロジェクト」に分けられが、それらは2月に会員が決まって活動を開始、具体的な検証に乗り出している。また、スキルインベントリのシステムSSI-ITSSは、レベルの認定やキャリアパスの設定、Gapに対する研修情報の提供などが可能であり、企業でも個人でも利用できるこのシステムを用いたソリューションを提案する。
■「NECソフトにおけるITSS導入の取り組み方と導入事例」
NECソフト株式会社 人事部 人材開発マネージャー 福嶋 義弘氏
 
NECソフト 福嶋氏
NECソフト 福嶋氏
 社員数5000人以上、パートナー企業数921社に及ぶNECソフトでは、自社の事業領域やソリューション・テーマに基づいていち早くITSSを人事施策に取り入れている。独自に「矢車人事制度」と呼ぶ制度を改めてITSSを連携、「新矢車人事制度」を確立し、評価・処遇(格付け)・育成の基準にITSSをマッチングさせた新制度に2004年度より順次移行し、2005年度より本格展開する計画だ。ITSSを導入するにあたり職務要件定義の改定や教育体系の再整備をおこない、キャリアパスの標準モデルを明示する「キャリアパスモデル活用ガイド」を作成、職種ごとにどのようなキャリアパスが描けるかを図式化したモデルを提供してキャリアの目標を明確にしている。
 同社は会社の競争力向上のためにも人材育成は最重要投資であると考え、売上高の1%以上を確保し積極的に投資することをモットーにしている。
■「ITエンジニアのスキル強化の課題と展望」−1万人のスキル調査とITSSの最新動向から−
日経ITプロフェッショナル 編集長 田口 潤氏

日経IT 田口氏
日経ITプロ 田口氏
 2002年12月に経済産業省がITスキルスタンダードを公表してから、日経ITプロフェッショナルではそれに関連する動向を追っている。当初はITSSに対して批判的意見が多数で、国がスキルを定義しても実績重視の現場であるいは実際のビジネスで生かしにくいことや、ITコーディネーター制度と同様に現実の機能性を欠いたまま理論が先行することなどが懸念された。しかしITエンジニアの「質的」高度化が求められる中で、次第にITSSに取り組む企業が急増し、各社それぞれの戦略に組み入れて利用されるようになった。
 現在ITSSが抱える主な問題として挙げられることは、
(1)スキル評価の方法が定まっていない、(2)ビジネス形態に即した職種・スキル定義の解釈が困難、(3)IT業界にはITSSに該当しない職種がある −−ということである。
(1)についてはITスキル標準センターで策定する「スキル評価ガイドライン」や、各種ベンダーが提供するスキル診断ツールなどにより解決が期待できる。(2)についてはITSSユーザ協会のワーキンググループでシステム・インテグレータ(SI)、ソフトウェア・ベンダー、ハードウェア・ベンダー、教育ベンダーを対象にした職種・スキル定義の研究・検証がされている。(3)のITSSに該当しない職種への対応策として「組み込みスキル標準」が策定されることが経済産業省より発表されている。
 しかし、教育・研修プログラムの充実や大学・学会との協力関係、ユーザの納得する基準として業界で共通利用できるかどうかなど、残されている課題も多い。

■「提案力強化を通じた人材育成(ITSSに準拠)」
NRIラーニングネットワーク 取締役社長 杉山 由高氏

NRIラーニングネットワーク 杉山氏
NRIラーニング 杉山氏
 NRIラーニングネットワーク(株)のエグゼクティブエデュケーションとは、企業のビジネスリーダー輩出のために野村総合研究所のコンサルタントが中心となり、オープンスクールやカスタムプロジェクトなどで教育を支援する、2001年にスタートしたエデュケーション事業である。
 その一環として「ITソリューション提案力スキルアップカレッジ」を静岡県で8日のカリキュラムで実施しており、ITSSの職種と分野に対応したトレーニングを提供しているが、顧客のニーズや経営課題に則った提案の実践を学ぶことができ、即現場に生かせるということで受講者からの評価は高い。
 
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