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特集1:株式会社ネクストエデュケーションシンク Mr.サイトウが直撃インタビュー!株式会社イーネット ITSSコンサルタント大石雄氏に聞くITスキル標準導入のポイント(第1回)
Mr.サイトウコンサルティングがお仕事ということですが、ご経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか。
大石雄氏私はもともとプログラマで、現場で正にプログラムをバリバリ組んでいました。やがて、年齢を重ねるごとにSEを経験し、プロジェクトマネジメントもするようになりました。そんな頃、ある大手企業からお声がかかりまして、上級エンジニア向けの研修講師をするようになったのですね。その頃に独立し、会社を設立しました。そして、講師業を続けているうちに「ITスキル標準」の相談を受けるようになりました。講師をしていますと、人事部の方と接する機会が多くなります。その方々との話の中で「ITスキル標準を導入したいのだけれども…」と、相談を受けるようになったわけです。後で聞いた話ですが、私の研修が、理想論ではなくて現場に根ざした教え方をしており、その部分を評価してくださったようです。そこで、「ITスキル標準の活用がなかなかうまくいかないのだけれども、現場でどうやったらうまくいくだろうか」という相談を受けるようになったのが、ITSSのコンサルティングを始めたそもそものきっかけでしょうか。
Mr.サイトウそうですか。ところで、どのような規模の企業にコンサルをされたのでしょうか。
大石雄氏大きいところから小さなところまでさまざまなのですが、大きいところだと技術者1,000人弱、小さいところでは50名程度の人数です。会社数ですと、10社程度になりますけれども、相談は30社近く受けております。
 Mr.サイトウ本書の説くITスキル標準を導入するノウハウである「Uメソッド」の特長として、面接によるアセスメントは必須であり、とても大切であるということですが、これはどうしてでしょうか。
 大石雄氏私の考え方では、「ITスキル標準」というものは、エンジニア個人の将来に密接に関係した重要な指標だと思っておりますので、レベルの判断方法や結果は完全な理想までは行かなくても、いかに理想に近づけるかということが重要だと考えています。
コンピュータだけによる実施、いわゆるWeb診断だけでアセスメントを実施しますと、ヒューマン的な部分が抜け落ちてしまいます。例えば、その人が適当にチェックをしてしまっても通用してしまうわけです。逆に人間による測定の欠点は、測定する人間によって誤差が大きく出てしまうということがあります。それで、その両方の足りない部分を補うという考え方なのです。主に、Web診断などでテクニカル面の実力や経験・実績的な部分を測り、今度は人間による面接によって、コンピュータで読み取ることのできなかった部分を修正していくという考え方で実施しています。
 あと、実はもう1つあるのですが、Web診断だけで実施しますと不満が出ることがあるのです。「あいつは要領よく付けて、実際には(仕事を)なんにもやっていない!」とか「これだけで(自分の実力レベルが)測られてしまうのか……」ということがあるのです。でも、そこは面接者(アセッサー)が対面して、しっかりと確認することによって、実績などに偽りが無いかを確認し、ずるいことができないようにしているわけです。
Mr.サイトウそうすると、社員の納得感もすごく大きくなるし、公正感も出るというわけですね。
大石雄氏おっしゃるとおりです。
Mr.サイトウ具体的には、どのように面接をされるのですか。
大石雄氏私の場合は、アセッサーによる誤差がなるべく出ないように、2人のアセッサーが一連のシナリオに沿って質問するというかたちで、チェックシートに付けていきます。そして、最後に2人のアセッサーによる診断とWeb診断による集計を行って、最終的に「ITスキル標準」のレベルを出すことになります。
Mr.サイトウ1人当たり何分ぐらい面接するのですか。
大石雄氏30分から1時間ぐらいです。
Mr.サイトウ面接によるアセスメントの実施に対する、経営者の評価はどのようなものでしょうか。
大石雄氏面接するだけでも社員のモチベーションが上がると言われています(笑)。Web診断では、普段活躍している人の評価が低かったり、それほどでもない人の評価が高く出たりすることがままあるのですが、面接をすることで妥当なところに落ち着くからです。また、Uメソッドでは正確にアセスメントをする様々な仕組みもあります。例えば(スキルが無いのに)人あたりが良いだけのエンジニアのレベルが高く出てしまうことがないような仕組みがあります。そうすると、「一見、あの人はすごく出来そうなのにWeb診断では低い―― 面接してもやっぱり低いのか」と言われるのですが、そのときに、きちんと裏づけとなるデータを持っていますので、「確認した結果、これこれこういう理由で低く出ました」といった明確な報告が出来ます。ですから、いまのところ、現実からの大幅な乖離があるといったお話は聞いておりません。
Mr.サイトウなるほど。両者を合わせることで非常に現実的で適確な診断が出来るというわけですね。
次回につづく



■大石 雄氏プロフィール
大石 雄氏 昭和39年生。株式会社イーネット代表取締役社長。株式会社デュープロセスコンサルティング監査役。ITSSユーザー協会正会員。日本プロジェクトマネジメント協会正会員。プログラマ、SEなどの現場での豊富な経験を経て、現在ではコンサルタントおよびビジネスセミナー講師として活躍。コミュニケーション、問題発見解決力、プロジェクトマネジメント、オブジェクト指向などが研修の専門分野。リスク管理ゲーム、交渉力ゲームなど、独自開発のゲームを使ったユニークな研修も多数実施し、高評価を得ている。「誠実、真実、責任感」をモットーに、単なる理想論ではなく現場寄りで具体的なソリューションを提供している。著書に「これならできる! ITSS導入・運用ガイド Ver.2対応」(ラトルズ)がある。

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