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特集4:現場の事例で学ぶマネジメント連載 ヒューマン・マネジメントのテクニック(27)

IT教育コンサルタント 芦屋 広太(プロフィール

 あなたはヒューマン・マネジメント能力に自信をもっているだろうか? マネジメントで最も難しい"人間の問題"、これにうまく対処しなくては仕事の成功はない。"人を動かすためには何が必要か"を理解し、適切に行動しなければならない。
 前回号では、引き続き「プロジェクトマネジメントの考え方」の(5)の「問題は自ら判断し、処置する」に関する話をした。
 
[プロジェクトマネジメントの考え方]
(1) できる方法を考える。
(2) できる人間を探す。
(3) その人間に方針を徹底し、動機付けを行う。
(4) 問題の兆候ができるだけ速くマネージャに届くようにする。
(5) 問題は自ら判断し、処置する。
(6) 再発しないように見直す。
 
 重要なのは、「プロジェクトマネージャ(PM)の関与」ということであることは既に述べた。そこでの重要なポイントは以下の通りだ。

PMの関与のポイント
メンバーを放置しない。
問題が起きた場合に叱責しない。
常に一緒に考える。
方向性を指示する。
問題が起こったときは一緒に解決する。

 前回は、「プロジェクトに何が起こっているか」を把握するための情報収集テクニックとして、「質問テクニック」を説明した。そこで、今回も質問に関するいくつかのテクニックを紹介していきたいが、その前に「プロジェクトへの関与がどうしたらできるのか」について話したい。

 ● プロジェクト成功への強い――PMの気迫が「強い関与」へとつながる

 一言でPMといっても、優秀なPMから駄目PMまでレベルはさまざまだ。その違いを説明する理由の一つに「関与力の高低」というのがある。すなわち、PM自身が「プロジェクトにどれくらい強い思い入れ」をもっているかである。「思い入れ」という言葉は、「PMが持つプロジェクト成功への気迫」と言っていい。

 プロジェクトを成功させるために絶対的に必要なのは他でもない。それは「プロジェクトを成功させようという気迫」だ。では、なぜ気迫が必要なのか。

 それは、「誰でも関心があることには気になるし、関心がないことには無頓着になる。」という法則が多いに関係する・・・プロジェクト管理も同様である。

 筆者はIT系の教育コンサルタントとしてITプランナーやPMの育成を本業とするが、「優秀なPMを育てるために最も必要なことは何か」と聞かれれば、「いかに気迫を持たせるか」だと答えることにしている。なぜなら、「プロジェクトを成功させたい」という気迫は人間の行動を非常に機敏にしてくれるからだ。

 脳科学分野の話になるが、「脳」は意識している外部情報を優先的に取り込む特性がある。たとえば、結婚を意識すれば、結婚式場やウェディング関係の広告や情報が気になるし、ゴルフを始めればゴルフに関する情報を優先的に取り込み、子供が中学受験をすると決めれば、学校情報や塾の情報が気になるというのと同じだ。

 関心があれば、外部の変化がわかるし、関心がなければ外部の変化は分からない。もっと強い関心があれば、外で起こっている情報は自然と吸収できるようになる。さらに、もっと強く「成功させるという強い意志」を持てば、プロジェクトで発生する些細な物音(問題発生における初期の微細な兆候)にでも反応できるようになる。

 つまり、「強い意志」、「思い」があれば、プロジェクトの進捗、課題発見、解決に向けた取り組みに「無関心」でいられるわけがない・・・「気になってしかたがない」という具合になるのだ。だからPMの成功への思い、成功させるという気迫が大事だといっているのである。これはPMを担当する立場の人もPMを育てる立場の人もよく覚えておいてほしい。

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