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1.トレーニング満足度調査
 研修直後のアンケートやインタビューによって、トレーニング参加者がどれだけセミナーに満足していたかを表現します。アンケートの場合、無記名な方が正確な情報が得られます。
 研修直後のアンケートは大抵どの企業でも取っていることと思います。アンケートの結果、研修主催者側の課題、トレーナーの課題などが明確になります。この段階で満足度が低いと、一般的にトレーニング内容がよく理解されないか、たとえ理解されても参加者の行動変容には至りません。
 客観的なアンケートに加えて、インタビューをすることによって、詳細な課題や解決の方向性が浮き彫りになります。


2.トレーニング理解度調査
 トレーニング内容を、どれだけ正確に理解しているかを計測します。理解度テストです。また、態度的な要因を変化させることができたかどうかは、アンケート調査やインタビュー調査が用いられます。理解度テストは、eラーニングであれば、簡易にデータを取得できるはずです。もし集合研修であれば、セミナー終了と同時に30分程度の理解度テストを実施するのが運営上最も簡単です。また、インタビューによってある程度深くまで理解度を明確にできます。




3.行動変容調査
 360度評価、アンケート、インタビューなどで計測します。この中でも360度評価は事前に計測しておくことが望ましいのです。そうすることによって、事前・事後の比較ができます。時期的には、研修終了後3ヶ月から6ヵ月後がふさわしいでしょう。360度評価は、コンピテンシーモデルや研修内容とリンクしていることが前提となります。360度評価の内容をカスタマイズしてくれる調査会社が望まれます。

4.ビジネスインパクト調査
 ビジネスインパクトは、ずばり成績です。トレーニングがどのように直接的に寄与したかを知るには、複雑な作業が必要ですが、ある程度まで解明できればよしとします。日本の自動車メーカーの管理者研修で、研修終了後一定期間をおいて、研修のビジネス成果に与えたインパクトがどれくらいであったかを、アンケート調査で%表示しているケースがあります。管理者は、自分のビジネス目標達成のどれくらいが、研修によってもたらされたかを意識します。

5.ROI調査
 トレーニング投資は、講師料のみならず例えば集合研修であれば、参加者の人件費、会場費、交通費、食費など、計測可能な一切の費用が含まれます。また、効果は通常、売上、事故率低下などを金額換算します。例えば、顧客からのクレームへの対応にかかった費用をすべて記録しておくことによって、クレーム発生数や率の低下によって、どれくらいの節約が出来たかが分かります。


トレーニングスコアカードは、BSCでおなじみの4つの視点と連動しています。事前にこのKPIを設定して数値による管理をします。


 トレーニングスコアカードの考え方は米国では普及しています。カークパトリックやジャック・フィリップスといった大御所が書籍にまとめています。

 いずれにしても、トレーニングがコンピテンシーにどのように寄与したかということが重要ですね。こうした意識なしに教育を施すことができるほど、企業に余裕がなくなってきたとも言えるでしょうか。トレーニングスコアカードを効果的に使うことによって、トレーニングの与える満足度やインパクトが飛躍的に向上することを願ってやみません。

 もし疑問が点がございましたら、ご遠慮なく質問を賜りますよう。
info@nextet.net までお寄せください。

 3回にわたって記事を執筆させていただきました。本当に有り難うございました。


深山 敏郎氏プロフィール
深山氏
 

中小企業診断士
社団法人全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント
麗沢大学 外国語学部 イギリス語学科卒業
【指導実績・主な活動領域】
 ・各種階層別研修(新入社員、中堅社員、管理職)
 ・営業研修
 ・マーケティング
 ・異文化コミュニケーション研修
 ・異文化ネゴシエーション研修
 ・コミュニケーション研修
 ・ディベート研修
 ・交渉、折衝力研修
 ・中小企業診断士受験講座
 ・リーダーシップ研修
 ・問題解決技法研修
 ・ヒューマンアセスメント研修
 ・戦略経営シュミレーション研修(英語版) など
【執筆実績】
 『異文化事例研究』
 『産能大学通信教育テキスト』
 『週刊ホテルアンドレストラン』
 『販売士1級、2級サブテキスト』
 『コンサルピア』
 『月間サクシード』

 

 

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