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特集4:成果を生み出すための連鎖−Result
■成果を出すための連鎖と人材パフォーマンスのシステム

 ASTDの HPI(Human Performance Improvement)では、企業は複雑な構成で成り立っており、成果は、従業員個々人と業務のプロセスや業務機能、そして経営・マネジメントがシステマティックに機能して成立すると定義しています。人材パフォーマンス改善のためには、企業全体を「機能=システム」として捉え、成果の達成が芳しくないとき、そのシステムの何が機能していないのかを分析した上で、個々人のパフォーマンス向上のためのサポート策、または解決策を考えます。つまり、単体での研修やナレッジの提供、制度の導入などを行っても、全体の機能がうまく働いていないと、最終的なパフォーマンス向上にはつながらないという考え方です。 下図は、人材パフォーマンスをサポート・向上させるための要素を示しています。
人材パフォーマンス機能


それぞれ、以下の項目が実行されていること、明確になっていることが、人材のパフォーマンスを機能的にサポートし、向上させる条件と考えられています。

働く個々人(パフォーマー)にとっては、
 ・期待される成果の理解と成果達成に必要なスキル
 ・成果達成のための肉体的・精神的な能力
 ・成果達成志向(動機)
インプットとしては
 ・成果達成ニーズの、明確で十分に認識可能な指標
 ・ 非互換性の要求や異質な要求などからの最小限の干渉
 ・ 成果達成に必要な資源(予算、機材、人材など)
アウトプットとしては、
 ・ 充分かつ適切な成果達成基準と指標
結果(または出された成果の影響)に対しては、
 ・成果達成のために十分な結果と好影響(インセンティブ)の明確化
 ・ 場合により、成果達成への否定的な影響(意欲を妨げる行動や習慣など)の明確化
そして、パフォーマンスのサイクルを維持するために重要なフィードバック
 ・仕事の仕方・働き方に対する頻繁で適切なフィードバック
  (どのように良いのか、または何が欠けているのかなど)

 
■"成果の連鎖"の見極めポイント━━CJI、 CPI、 CBI


 成果を出すための連鎖をGeary A. Rummler は、以下の図のように "The Result Chain" として示しています。その中で、パフォーマンス向上のための重要ポイントとして、 CJI (A Critical Job Issue)、 CPI(A Critical Process Issue)、 CBI(A Critical Business Issue)の3点が明確になっており、それらがリンクしていることが重要であると指摘しています。

 つまり、パフォーマンスをサポートする機能としての人材開発の担当者や企業のパフォーマンス向上のための研修・教育システムを提供するコンサルタントは、これらCJI、CPI、CBIを明確に知った上で、それらのリンクに問題がないかどうかを分析して、その解決策としてのプログラムやソリューションを提供していくことが求められます。特に成果主義人事制度の維持・向上が重要な使命となっている人材開発担当部門にとっては、自社の「成果の連鎖=The Result Chain」を明確に把握しておくことと、その方法の習得が望まれます。

成果の連鎖

中原 孝子氏 プロフィール
中原 孝子氏 中原 孝子(なかはら こうこ)
国立岩手大学卒業後、米コーネル大学大学院にて、教育の経済効果、国際コミュニケーション学等を学ぶ。
その後、慶應義塾大学環境情報学部武藤研究室訪問研究員として、インターネットを利用したデータマインニングやeラーニングなどの研究に携わった。
職歴:米系製造販売会社、金融機関、IT企業にてトレーニングマネージャーとして活躍し、平成14年5月、株式会社インストラクショナル デザインを設立。
会員:ASTD会員、慶應義塾大学環境情報学部研究員
 
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