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特集4:現場の事例で学ぶマネジメント連載 ヒューマン・マネジメントのテクニック(16)

IT教育コンサルタント 芦屋 広太(プロフィール

 あなたはヒューマン・マネジメント能力に自信をもっているだろうか? マネジメントで最も難しい"人間の問題"、これにうまく対処しなくては仕事の成功はない。"人を動かすためには何が必要か"を理解し、適切に行動しなければならない。
 前回は、システム統合ではマネージャーのスタンスが如何に重要かについて説明した。利害が一致しない参加者(利害関係者=ステークホルダー)が数多く存在するようなケースでは、システム統合に限らず、そのヒューマン・マネジメントは難しいものになることが理解して頂けたと思う。
 それでは、今回は、私がどのように利害関係者に応対していったのかを説明したいと思う。
 
 ●応対の方針と入念な準備

 まず、システム統合のような、利害が一致しない関係者が数多く存在するプロジェクトにおいて、マネージャーはどう行動すればよいかを考えてほしい。
 答えは簡単である。「入念に準備する」ことである。間違っても、無計画に各利害担当者に応対してはいけないだろう。そのような無考慮な対応は必ずマネージャーの評判を低下させるのである。
 考えてみて欲しい。人間は感情を持っている。いつもいつも、論理的で冷静に会話ができるとは限らない。
 たとえば、あなたがこのプロジェクトのマネージャーだと仮定しよう。あなたはある会議で、利害関係者5人の質問を次々受けなければならないとする。それぞれの立場、スタンスは以下の通りである。
 
(1) カスタマイズ(システムの「改造」のこと)をしてほしいと思っているA社事務部門のAさん
(2) 改造をしたくないB社企画部門のBさん
(3) 改造なしでも業務が上手くいくなら特に問題ないが、改造しないと業務が遂行できないなら改造は必須と言うD社経理部門のDさん
(4) 改造はしたくないと思っているシステム部門のEさん
(5) コストがあまりかからないなら、改造はしてもいいのではないかと思っているF社の企画部門のFさん
 
 このように、参加者の気持ち、スタンスはバラバラである。このような人が思い思いにあなたに質問してくる場合、あなたは冷静にスタンスを一貫させた回答ができるのだろうか? それは非常に難しいと思う。なぜなら、人間は言ったことをそんなに長く覚えておくことができないため、複数の人からそれぞれ主張された内容全てに矛盾なく、論理性が高い回答をし続けることができないからだ。
 
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