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特集2:小誌編集長 Mr.サイトウが直撃インタビュー!日本のITに未来はあるのか。加速する受験生の「工学部離れ」を検証する。前編
学校法人河合塾 教育研究部 統括チーフ
谷口 哲也(プロフィール
 大手予備校で有名な学校法人 河合塾の調査で、受験生の「工学部離れ」がここ3〜4年急速に進んでいることが判明した。この勢いが加速度を増し、このままだとIT業界は人材不足で危機的状況を迎えるのではないか。Mr.サイトウは、本調査を行った河合塾 教育研究部の谷口 哲也氏にインタビューを行った。
 
Mr.サイトウ本日はご多忙の中ありがとうございます。早速ですが、受験生の「工学部離れ」がここ3〜4年の間に急速に進んでいると伺い、ITに関心のある者の1人として危機感を持ってやって参りました。これは、いったいどういうことなのでしょう。まず、調査された発端からお伺いできますでしょうか。

谷口哲也氏はい。まず、私の部門と業務内容についてお話しましょう。この「教育研究開発本部」という部門は、いわゆる少子化問題や公立高校の受験態勢へのシフト、国立大学独立行政法人化の問題など、受験生を取り巻く環境というものが急速に変化していく中で、生徒や高校の先生や父兄の方々に、オピニオンリーダー的な立場で、教育の情報を発信していくことがミッションです、そして、そこをきちんと、いわばシンクタンク的な、基礎研究をきちんと踏まえてやっていくことを旨としています。

Mr.サイトウ「次の世代を睨んだ教育の情報発信」ということをするための基礎的、基本的な調査研究をやられている――そして、それを内部にも外部にも活かしていくということでしょうか。

谷口哲也氏そうです。

Mr.サイトウいままでにない新しい予備校像ですね。あらためて河合塾様のブランド力を感じさせられます。ところで、なぜ今回、受験生の「工学部離れ」を調査されたのでしょうか。

谷口哲也氏実は、全国規模の模試による志望動向などで、受験生の「工学部離れ」が少しずつすすんでいるのはわかっていました。ところが、2003年頃から、その傾向がより顕著になってきているのがわかったので、緊急調査をしたのです。まずは、【グラフ1】をご覧ください。これは、1992年の18歳人口がピークに達した年から2005年度までの、受験生全体の人口の推移です。少子化の影響がすでに見え始めています。

Mr.サイトウピーク時と比較して70.9%も受験生の人口は減ってきているのですね。

谷口哲也氏はい。そして、【グラフ1】を踏まえながら、次の【グラフ2】をご覧ください。これは国公立大の学部系統別の志願者占有率の推移を1999年度から2006年度まで表したものです。実は、全系統の中で最も高い入学定員が多いのが「工」学系なのですが、それでも、1999年度と2006年度を比べると緩やかな減少傾向が続いており、比較すると3.1ポイント下がっていて、「医・歯・薬・保健」学系との差が縮まってきています。そして、よりショッキングなのが【グラフ3】です。これは、私立大学の学部系統別志願者占有率の推移を1999年度から2006年度まで表したものですが、数年後には「工」学系と「医・歯・薬・保健」学系が逆転しそうな勢いです。

Mr.サイトウ私立大では、相当な変化が見て取れますね。

谷口哲也氏はい。比較的研究志向の高い「理」学系、「農」学系に比べ、「工」学系志願者は実学志向が強いため、もともと就職をはじめとした社会環境の変化による影響を受けやすい傾向があります。バブル経済崩壊以降の日本経済の長期にわたる不況の中で、資格志向の強まりや、看護・医療系公立大学・学部の新設による定員拡大の影響もあり、医療・保険学系に志願者を奪われていることが伺えます。

Mr.サイトウなるほど。では、「工」学系の分野別ではいかがでしょうか。
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