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特集1:IPAX2007最新レポート トップ鼎談 「トップが語るIT人材育成の勘どころ」 〜ビジネスを成功させるプロフェッショナル人材とは〜 パネルディスカッションを聴いて
 2.現役IT技術者(ユーザー、ベンダー)の育成をどう見るか。

 1.で議論された内容をもとに、現役のIT技術者の育成(ユーザー、ベンダー双方)をどうしていくのかが議論された。特に技術の発展による専門分化や成果主義の導入で、どうもOJTがやりにくい、うまく回っていないのではないかということが田口氏から指摘された。

渕上氏まず、技術発展のスピードが速く、結果的に非常に細分化、専門分化して、エンジニアの誰もが自身のキャリアパス、方向感をどう考えればよいのか迷いが生じているのは事実だと思う。しかし、弊社では独自のキャリアパスを持っており、目標に対しての研修ロードマップを所持し、提示している。資格取得など明確な目標を立て、社員がみんなで頑張れば非常に効果が上がることがわかっている。

繁野氏その議論の前に、本当に優秀な技術者が求められているのかどうかが疑問だ。工数がかかればかかるほど、また、保守がかかればかかるほど売り上げが上がるわけであり、構造的な問題をはらんでいるように思う。一方で、ユーザー側の情報システム部門を見ると、役割定義がきちんとできていない。情報システム部門はなにをすべきかをきちんと議論して掘り下げ、必要な能力など人材像を定義し、そこから初めて人材育成が可能になるのではないかと思う。そういう意味でUISSはいい参考になると思う。

藤原氏現場の実態を可視化することをまず考えている。現場力強化という点で、各プログラマの作業量を可視化し、リアルタイムモニタリングすることで、将来起こるかもしれないトラブルを早期発見するツールを開発している。また、定量のデータとしてみることができるプロジェクト診断ツールも開発している。将来的に、一般公開したい。


 3.ITSS、UISS、ETSSなどのスキル標準、
     情報処理技術者試験などのツールを企業はどう活用すべきか。

 IPAは上記のようなツールを提供しているが、どのように活用していけばよいのか。春の情報処理技術者試験を見るとどうも減少傾向にあるようだ。

渕上氏情報処理技術者試験についていえば、午前の部の試験で、自身の強み弱みを把握することは重要だと思う。

繁野氏個々人の能力をどう評価して、それをどう待遇に結びつけるかということをいまやっているところだが、このような公的なものに自社の実態を合わせながらやっていくことは非常に重要だと思うし、技術者個人がどこに行っても同じように評価されることになるのは喜ばしいことだ。ぜひ進めていただきたいし、スキル標準の統合によって、それがさらにやりやすくなるのではないかと期待している。

藤原氏2008年の秋に新しい情報処理試験でやっていく予定なので様子を見たい。


 4.プロフェッショナル人材育成に向けて

 個々のIT技術者の方が、会社内だけではなくて社外でも活躍し、自己の能力を高めていくというサイクルをまわすのが人材育成の中では非常に重要ではないか、諸外国ではプロフェッショナルコミュニティがあり、特にシンガポールでは、スキルの研鑽を積む場としてだけでなく、人の流動化も促進する場となっているとの田口氏から情報提供がなさされた。プロフェッショナルコミュニティの重要性をどう考えるか。

渕上氏社内にはプロフェッショナルコミュニティがあり、社外のプロフェッショナルコミュニティに参加して、自分の実力を客観的に見ることもできるようになっている。

繁野氏どうも日本はジェネラリスト志向で、プロフェッショナルに対しての評価が低い。そして、組織が主で個人は従という滅私奉公的な刷り込みがある。そうではなくて、プロフェッショナルと組織は対等であり、組織はプロフェッショナルが活躍できる場を与えるべきだと考える。中小のスペシャリストはある程度流動化しているが、大企業のプロフェッショナルは囲い込まれてなかなか出てくることができないようなので非常に残念に思う。

藤原氏IPAのITスキル標準センターでは、ITSSを不断に改善していくために、プロフェッショナルコミュニティを設置している。ここで検討した結果を、定期的にITSSに反映していきたい。

田口氏ITSSを検討しているプロフェッショナルコミュニティなどが独立して、もっと表に出てくればいいと思うが、日本ではどうしても会社の業務優先で、コミュニティでの活動がなかなか進展していないように思う。経営者の方々は、ぜひ社員のコミュニティ活動を推奨してくださるようにお願いしたい。



 取材を終えて
 一時間ちょっとという短い時間もあって、本パネルディスカッションの本題である「IT人材育成の勘どころ」や「ビジネスを成功させるプロフェッショナル人材とは」という部分での議論があまり見られなかったのは残念だったが、

1.「作る喜び」「使ってもらって喜んでもらう喜び」という2つの体験をすることが非常に重要。
2.情報システム部門の重要性
3.コミュニティ活動の重要性

という点を押さえることができただけでも収穫があったのではないだろうか。特に、2と3に関しては、今後も活発に議論し、また実践していくことで、「ビジネスを成功させるプロフェッショナル人材」というのがすぐにでも現れてくるだろうと思う。日本のIT業界がなすべきことの大半は実は見えていて、あとは実践することのできる環境さえ整備されれば、きっといい将来が待っているのだろうと期待できるパネルディスカッションだった。

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