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特集4:最終回 現場の事例で学ぶマネジメント連載 ヒューマン・マネジメントのテクニック

IT教育コンサルタント 芦屋 広太(プロフィール

 あなたはヒューマン・マネジメント能力に自信をもっているだろうか? マネジメントで最も難しい"人間の問題"、これにうまく対処しなくては仕事の成功はない。"人を動かすためには何が必要か"を理解し、適切に行動しなければならない。
 前回号では「プロジェクトマネジメントの考え方」の(5)の「問題は自ら判断し、処置する」について、PMの関与すべきこととして「問題が起こったときは一緒に解決する」ことの重要性を説いた。

 リーダーは問題が発生した場合、メンバーと一緒に問題解決をしなくてはならない。よく考えてみてほしい。問題発生時は誰もが不安になり、責任転嫁をしがちになる。こんな不安定な状況で、リーダーが問題解決をみずからの手で行わないのは多くのデメリットがある。

 メンバーに丸投げするような形になれば、メンバーはリーダーをリスペクトしなくなる。一度そういった状況になると、プロジェクトは脆いものだ。リーダーが何を言ってもメンバーには響かなくなる。こういうプロセスを経て、プロジェクトは崩壊に向かっていくことをよく理解すべきなのだ。

 ●再発しないように見直す。

 では、「プロジェクトマネジメントの考え方」最後の話をしたい。それは、「再発しないように見直す」ということである。
 
[プロジェクトマネジメントの考え方]
(1) できる方法を考える。
(2) できる人間を探す。
(3) その人間に方針を徹底し、動機付けを行う。
(4) 問題の兆候ができるだけ速くマネージャに届くようにする。
(5) 問題は自ら判断し、処置する。
(6) 再発しないように見直す。

「再発しないように見直す」とは、「プロジェクトの体制、ルールなど、プロジェクト構成要素の一部を、同じ問題が発生しないように変更する」ということである。

 たとえば、要件の変更を繰り返すユーザ企業の担当者がいたとする。システム開発側のPMは、この顧客側担当者の要件を確認する人間として、サブマネージャのA氏を設定したが、A氏はPMの意図の通りには動けず、結果、うまくいかなかったと仮定しよう。

 具体的には、A氏が顧客担当者の主張をうまく断れず、開発は難しいが、顧客にとってあまり意味のない機能をたくさん引き受けてしまったので、PMがあとから顧客担当者と交渉して、何とか要件の一部は諦めてもらったとする。

 このケースは、プロジェクトとしては明らかに「問題状態」である。もし、このまま放置すれば、サブマネージャは再び交渉に失敗する可能性が高いから、PMはプロジェクトリスクコントロール、つまり、再発防止策を検討し、実施すべきである。

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