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特集1:"仕事"の意識を変革する連載 会社を動かすコンサルタントの思考術(1)
経営コンサルタント 小泉 雅史(プロフィール

 第一回:会議を"活かす"、会議で"光る"


 コンサルタントはよく「企業の変革者」と言われます。迅速に経営上の問題を洗い出し、深く分析し、トップにプレゼンする――。なぜ彼らがさまざまな問題に果敢に取り組み、短期間でクライアントを納得させる解決策を提示できるのか。それは、「視点」と「思考の流れ」にあります。本連載「会社を動かすコンサルタントの思考術」は、仕事上のさまざまな問題をコンサルタントはどのように捉え・考えていくのか、その思考術を解説して、読者が「会社を動かす変革者」になるためのスキルを効率的に身に付けられるようにしていきます。


■業務上の問題例
 ある日の社内メール。
件名:【新製品販売プラン検討会議のお知らせ】
 「各位、お疲れ様です。今期導入される新製品の販売プランの検討会議を開催しますので、ご出席願います。」――営業一課のAさんに課長より1通のメールが届いた。会議当日、課長は開発部からの新製品説明書を出席者に配布しながら、各担当者に最適な販売チャネル及び販促プランについて検討するよう促した。Aさんは新製品の説明書に目を通し、最近アプローチしているチェーンストア○○屋にぴったりの商材だと感じた。「なんだ、事前に資料を貰えれば○○屋向けのセールスプラン案を準備できたのに……」Aさんは○○屋の販売機会について説明したが、具体的な企画は全て次回の会議の宿題となってしまった。結局、課長が開いた今回の会議は、ただの資料説明に終始することになり、会議の運営効率は非常に低いものであった。

■問題を捉えるコンサルタントの視点
 そもそも会議が多い会社は、一般的にダメ会社の典型と言われます。なぜでしょうか? 「まずは会って話そう」「会議を開いて皆で決めよう」。ダメ会社でよく耳にする言葉です。一見効率的に出席者の意見を取り入れて解決していくように思えるこのやり方は、多くの場合たいした意見の収斂を得ずに次回の会議へと議題が持ち越されていくのです。このような会議ばかりの会社では、たいてい「会議は不要、あるいは必要悪」といった認識が高まっています。

 しかしながら、コンサルタントは、会議こそ出席者のアイデアを活かし、チームの士気を高め、業務上の調整を行う最も有効なコミュニケーションの「場」であると捉えています。それは、典型的なダメ会社のように、「まずは会って話そう」ではなく、「会わないと決められない」状態に追い込んでから会議を開くからです。つまり"会議を活かす"コツは、「会って話すべき事柄のみを集中的に議論し、必ず次のアクションに結びつける結論を得る」という当り前のことを十分認識し、効率的にしつこく実践していくことなのです。

 今回の問題例の場合、課長は当日の詳細検討ポイントと目標成果物イメージ、出席者へのプラン案作成指示、及び参考資料として新製品説明書ファイルを事前に出席者にメールで送っておけば、当日の会議では出席者の販売プラン案の説明からスタートでき、課長はその妥当性の検証及び目標成果物イメージに落とし込めるよう、プランを効率的に整理・統合する"ファシリテーター"に集中できたのです。結果、次回の会議1回分が不要になり、かつ1回の会議のアウトプットとして、新製品の販売プランを迅速に作成できたのです。

 コンサルタントはプロジェクト期間中、じつにうまく電話やメールを駆使しています。通常は日常業務に没頭しており、必要最低限のコミュニケーションで業務の調整を図ろうと心掛けています。それはあたかもF1レースでラップを重ねている車ができるだけ「会議」というピットに入ることを避けるかのようです。つまり、会議は基本的に業務における時間のロスと考えているのです。会議が「企画」であれば、日常業務が「実行」です。会議ばかりでは、企画ばかりで実行がない会社になってしまいます。ですから、ロスを最小化し、最大限のメリットを得るためにも、"できる"マネジャーは効率的な会議を運営するスキルを身に付ける必要があります。つまり、如何に会議を使いこなすかが重要であり、それができるマネジャーは会議でも自ずと"光る"のです。会議を有効活用する思考の助けとして、以下に会社で一般的に使われているコミュニケーションメディアの特徴を整理してみました。



 
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