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特集4 個人情報保護とプライバシーマーク取得の知識(3)

正林国際特許事務所 所長 弁理士
正林 真之(しょうばやし まさゆき) http://www.sho-pat.com/
経営トップの宣言文
 プライバシーマークの取得にあたっては、まず、経営トップが個人情報保護の必要性を認識した上で、経営トップが個人情報保護の方針および目標を設定することが必要です。この方針および目標は、もちろんJIS Q15001の「個人情報保護に関するコンプライアンス・プログラムの要求事項」に則って設定することになります。
 こうしたトップの意思は、実質的には日常業務の実務の中で反映させていくことになりますが、形式的には「社長の宣言文」として文書に記されることになります。ですから、プライバシーマーク取得の前段階の第1としては、まずはこの「個人情報保護に関する社長の宣言文」を起草することが必要になります。


経営トップの宣言文の起草にあたって − 起草の前に確認しておきたいこと

■プライバシーマーク制度の理解、必要性、メリット・デメリットの確認
 認定取得のためには、人、時間、お金をかけなければなりません。そのため、事前にプライバシーマーク制度を十分に理解し、必要性を確認することが大切です。認定取得の過程や認定取得後に、結局は「必要がなかった」とならないようにしたいものです。
 そのためには、まず情報の収集に努め、プライバシーマーク制度を理解することが必要です。情報収集のためには、(財)日本情報処理開発協会(JIPDEC)や各指定機関のWEBページを参照するとよいでしょう。また可能ならば、すでに認定を取得している事業者などから情報を収集するのも一法です。
 いずれにしても、十分に情報収集を行ったうえで、顧客や取引先との関係等を鑑みて、取得のメリット・デメリットを勘案し、取得の必要性を判断するようにしましょう。

■会社としての認定取得姿勢の明確化と経営資源投入の決意
 プライバシーマークはマネジメントシステムですので、体制や意識の変更も必要な場合があります。このため、トップダウンによる取り組みと社内体制の確立が必要で、それに伴う社員への教育も重要となります。
 ここで、新しいものを実施する場合には、必ずと言っていいほど、抵抗勢力が出現するものです。こうした既存の体制を守ろうとする関係者が想定される場合には、必要な事前の根回しも、経営トップによる取り組みの1つとして必要になってくる場合もあることでしょう。
 このほかにも、従業員が必要性を感じない場合や、業務に追われて時間がないといったような場合、適切な人材が居ないといったような場合にも、同様の問題が生じます。しかしながら、こういったときにこそ、トップはリーダーシップを発揮し、個人情報漏えいによる過去の重大な損害賠償事件の紹介等を通じて従業員の個人情報保護に対する意識を高めたり、全社員に十分に説明をすることによって理解を得たりするようにしたいものです。むろん、現在の業務体制や業務手順を見直すことによって積極的に時間を作り出すようにしたいものですし、また、人材についても、個人情報保護に積極的で理解力のある優秀な人物を採用し、あるいは社員教育により育成することを心がけたいものです。
 ところで、プライバシーマークの取得やコンプライアンス・プログラムの策定・運用には、人、物、お金が必要です。代表的な費用として、認定取得のための申請料やプライバシーマークの使用料などがあります。もちろん、コンサルタントを利用する場合にはその費用が別途にかかります。また、このほかにも、設備や備品の整備や人材確保にも費用がかかることでしょう。それらがプライバシーマークの認定取得までにどのくらい必要なのかを把握し、予算として組み込んでおくことにより、途中で息切れして取得を断念することのないようにしたいものです。また、その際には、取得後の維持にかかる人やお金も考慮に入れるようにしましょう。

■申請先機関の確認
 以上のような「必要性の確認」「トップの意思決定」「情報収集」「必要な根回し」「社員教育」、「資金調達」、「人材の確保と配備」という一連の流れを経た後、申請先機関の決定をし、プライバシーマークの取得に取り組むことになります。
 まず、指定機関の団体に加盟している場合はそれぞれの機関に申請し、受審することになります。その際に、同じ業界でも指定機関の会員でない場合や、その他の業界の場合には、(財)日本情報処理開発協会(JIPDEC)に申請し、審査を受けることになります。各団体への加入を考えている場合は、受審機関にも注意して行いたいものです。
 
 
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