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特集1:〜見えてきた日本の課題 〜2005年ASTD International Conference最新レポート
株式会社インストラクショナル デザイン 代表取締役 中原 孝子
プロフィール
 6月5日より9日までの5日間、今年もAmerican Society of Training and Development (ASTD)のInternational Exposition and Conference が、米国フロリダ州オーランドにて開催されました。ASTDの発表によると、今年のカンファレンスには、約9,000人の参加があったということです。人材開発のグローバルトレンドと人材育成のベンチマークを得るための機会として、世界中からの参加者が毎年ありますが、今年度も350人以上参加の韓国をトップに、250人参加の日本……と、アジア、中近東、ヨーロッパ、オーストラリア、南米、アフリカとワールドワイドな参加があり、参加者の1割以上がインターナショナルではなかったかと思われます。トータルセッション数275、Exhibitor数350社という規模です。なお、日本からの参加者数は去年の2.5倍(去年は100人ほど)でした。日本の企業環境における人材開発部門も、ASTDなどを通じたグローバルトレンドに注目する必要がでてきたということでしょうか。

 キーノートセッション


 今年のキーノートセッション(General セッションの区分)のテーマは「リーダーシップ」。昨年のキーノートセッションの「ラーニング・オーガニゼーション」から、ラーニング・オーガニゼーションを率いて、パフォーマンスを達成し、成長させることのできる「リーダーシップ」にフォーカスし、スピーカーは、Robert Knowing、Rudy Giuliani、Steve Uzzellでした。いずれのセッションも、リーダーシップを語るということもさることながら、エネルギーをもらい、勇気付けられるような内容でした。以下に、キーノートセッションのメッセージをお伝えしたいと思います。


各セッションから

6月5日 オープニングキーノート。Robert Knowing氏は、NYCの公立学校の校長達を組織変革のチェンジエージェントとし、学校改革と公立学校の教育の質の向上をもたらした国民的リーダーのロールモデルとされている人物。「世界中から飢餓をなくすのと同じくらい難しい」といわれたNYCの公立学校に教育の質の向上をもたらし、結果子供たちの修学結果の向上という成果を生んだ。そのチャレンジにいかに取り組んだかを紹介。"Leadership Academy"の設立と、そこで学んだ校長達がどのように変革と「結果」をもたらしたのか、そのプロセスとしてのDialogの過程や、個々の学校に対して適切なフィードバックを返すことによって得た学校改革を成果として、ラーニング・オーガニゼーションとしてのNYC公立学校があることを語りました。
2日目の6月6日のキーノートは、元NYC市長のRudy Giuliani氏。リーダーは、生まれながらにリーダーとして生まれたのではなく、教育と経験によって作られるとした上で、たいへんユーモアにあふれる明快な語り口で、彼の6つのリーダーの原則についてスピーチを展開。原則1は「自分が何を信じているのかを知っていること」、そして「なぜそれを信じているのかをわかっていること」。原則2は「楽天的」な性格であること。より良いソリューション、幸せな未来像を提供しなければだれもついてはこない。原則3は「勇気」。人々の不安を取り除き、難題と取り組み、リスクを減らすことを可能にするために必要なリーダーの要素。原則4は、「常に十分な準備を怠らないこと」。準備していたこと、想定外のことがたとえ起こったとしても、十分な準備をしたという自信が、想定外のことにも対処を可能にする。原則5は、「チームワーク」。「人」こそが成功の核。自分自身を含めた人の強み弱みを知り、バランスをとることが、リーダーの孤立を避ける。原則6は、「コミュニケーション」。心にまで響くコミュニケーションによって、自らの考えやアイデアを人々に伝えることができる、と説きました。
6月9日最終日のクロージング キーノートセッション。Steve Uzzle氏は前ナショナル・ジオグラフィックのスタッファー。リーダーシップに欠かせない想像力をクリエイティビティーについて、"Open Road, Open Minds"と題して、彼の写真を交えて話す。心のストレッチによってイメージを膨らませる手法は、問題解決の普遍的なブループリントとして位置づけられる。

 

 エデューケーショナル セッション


 以上のキーノートのテーマは「リーダーシップ」でしたが、カンファレンスセッション(Educational Session)は、以下の9つのテーマに分かれていました。
・Career Planning and Talent Management Development (11セッション)
・Designing and Driving Learning (31セッション)
・E-learning (20セッション)
・Leadership and Management Development (35セッション)
・Learning as a Business Strategy (29セッション)
・Facilitating Organizational Change (30セッション)
・Measurement, Evaluation, and ROI (22セッション)
・Performance Improvement  (15セッション)
・Personal and Professional Effectiveness (36セッション)
そして
・Others (68セッション)
以上のようなテーマで、ラーニングセッションが分類されていました。

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