編集部： どうすれば採用活動は成功するとお考えですか。 長尾氏： 07新卒採用は、採用コンテンツ次第です。いかに自社の魅力を出すことができるかが採用活動のカギ。例えばポータルサイトにどういう情報を載せるのか、会社説明会で何をやるのかといった中身（コンテンツ）に仕掛けを施すことが大切になってきます。事例をあげると、ポータルサイトに掲載するキャッチコピーひとつで、質の違う母集団を形成することが可能。また、パンフレットの見せ方によって、学生とのミスマッチを防ぐこともできるのです。 編集部： では、そのコンテンツの作り方を少し教えていただけませんか。 長尾氏： コンテンツはターゲット学生を決めることから始まります。その人を惹き付けるものを作るためには、欲しい人材を明確にすることが大切です。まずは事業計画から必要な人材要件を設定。欲しい学生のスペックやタイプなどを明確な言葉にしておくと良いでしょう。 次に、採用活動を通して学生に発見してもらうため、覚えてもらうため、ファンになってもらうために、ブランドづくりが必要です。採用コンテンツの骨組みともいえるコンセプトを作ります。採用コンセプトは6つの条件を満たしていなければないません。 ・働く上で自社の魅力を一言で表現している ・ターゲットを惹き付けるものである ・競合がつかっていない ・好ましい表現 ・覚えやすい ・印象的 コンセプトが決まったら、コンセプトを視覚的に訴えるためのビジュアルも用意しておきます。 編集部： 具体的に採用コンセプトが決まったら、どうすればいいのですか。 長尾氏： そうですね、まずは母集団形成から内定者フォローまで、採用フェーズごとの目的に合わせた採用シナリオを作りましょう。それを入社案内や採用ホームページ、会社説明会のパワーポイント、ビデオなどの具体的なツールに反映していくのです。 終わりに 長尾氏： 07年度の新卒採用は、多くの企業にとって厳しいものになるとともに、溢れかえった企業情報に困惑する学生も増えるはずです。私は企業と学生のベストマッチングをいつも願っています。そのためにも皆さまが求める人材と巡り合い、07年度の新卒採用活動で成功を収められるよう、心よりお祈りしています。

長尾 小百合氏　プロフィール 長尾 小百合（ながお　さゆり） 大学卒業後、出版社２社を経て株式会社ワークを設立。代表取締役。会社案内や営業パンフレット、入社案内、ホームページなど企業モノに特化した「編集」を行っている。企業の戦略を分析し、その成功ストーリィを加速させる「戦略ツール」が好評。長年に渡って信頼されるクライアントには上場企業も多い。普段は魅力編集のプロ、あるときは笑える講師として活躍。夜は楽しい酔っぱらいとして、その場にいるだけで場を沸かせることを得意としている。

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