eラーニングマガジンに関するお問合せ、ご質問等は下記までご連絡ください。
eラーニングマガジン編集部

elmag2@nextet.net

特集2:人材開発担当者のためのインストラクショナルデザイン 効果測定を有効なものにするために
 

 ■インストラクショナルデザインに求められるスキル

 冒頭でも触れましたが、さまざまなビジネスの現状と同様に、研修や人材開発プログラムにもそのビジネス上の貢献度や、実践や業務現場での貢献度、活用度など、いわゆる「研修の効果」に対する説明が求められるようになって来ました。その基盤として、インストラクショナルデザインのスキルが必要とされるのですが、どんなスキルが必要なのでしょうか。
 以下にどのようなスキルが求められるかのリスト*があります。
(*"ISD From the Ground Up" (by Chuck Hodell , 2000年、ASTD)参照)
自分の中で強化する必要があると思われるスキルは何でしょうか。チェックしてみてください。
スキルリスト
スキル項目 Yes No
1. 受講対象者分析ができる    
2. フォーカスグループのインタビューセッションのデザイン、実施ができる    
3. 四構成要素を押さえた研修目標を書くことができる
(four-part objective)
   
4. 四つの研修目標領域(Objective Domain)を言うことができる    
5. 少なくとも三つの教授・指導方法の例を上げ、定義づけることができる    
6. 少なくとも三つの研修実施方法の例を上げ、定義づけることができる    
7. 想定されている研修のタスク評価内容を少なくとも二つは書くことができる    
8. パフォーマンス目標の概念を、例を示しながら説明することができる    
9. カークパトリックの四段階評価の各レベルの評価デザインができる    
10. 指導・教授設計プランを完成できる    
11. レッスンプランを構築できる    
 いかがでしたでしょうか?現場のパフォーマンスに直結した研修を構成し、またその研修のインパクトを測るためには、提供しようとしている研修のゴールが何か、いかに評価基準を明確にできるかが大切です。効果測定を実施し、有効なものにするためには、ニーズ分析とパフォーマンス目標を書けることがもっとも大切なスキルと言えるかもしれません。

 効果測定の実施を目指している方は、eラーニングマガジンの2006年1月号「人材育成投資」――「システマティックな人材育成のための効果測定の目的」をもう一度振り返って、そもそも目的と現場のパフォーマンスのサポートを実現するための研修デザインや評価の目的について、もう一度考えてみてください。

 次回は、インストラクショナルデザイン第一ステップである「分析」について考えてみます。

中原 孝子氏 プロフィール
中原 孝子氏 中原 孝子(なかはら こうこ)
国立岩手大学卒業後、米コーネル大学大学院にて、教育の経済効果、国際コミュニケーション学等を学ぶ。
その後、慶應義塾大学環境情報学部武藤研究室訪問研究員として、インターネットを利用したデータマインニングやeラーニングなどの研究に携わった。
職歴:米系製造販売会社、金融機関、IT企業にてトレーニングマネージャーとして活躍し、平成14年5月、株式会社インストラクショナルデザインを設立。
会員:ASTD会員、慶應義塾大学環境情報学部研究員

back
 
 

この記事の感想をお寄せください

お名前:
 (省略可)
メールアドレス:
 (省略可)
コメント:

Copyright©2006 Next Education Think.All Rights Reserved.
掲載の文章・画像の無断使用・無断転載を禁止します。
特集1:小誌編集長 Mr.サイトウが直撃インタビュー!独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) ITスキル標準センター 平山利幸主幹に聞くITスキル標準V2の核心ポイント
   
特集2:人材開発担当者のためのインストラクショナルデザイン 効果測定を有効なものにするために
(2)
   
特集3:eラーニングコース紹介 英語コミュニケーション能力をIRTで効率的に測定 株式会社教育測定研究所
   
特集4:現場の事例で学ぶマネジメント連載 ヒューマン・マネジメントのテクニック(19)