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特集4:現場の事例で学ぶマネジメント連載 ヒューマン・マネジメントのテクニック(28)
 ● 情報は報酬を出さないと集まらない

 では、どうすればよいのか。簡単なことである「メンバーが喜んで情報を提供する」ようにすればよい。このためには、

PMに相談すれば問題は解決すると思わせる。
情報をくれれば、「ありがとう」「助かる」と御礼を言う。
悪い情報でも叱らない。
メンバーが相談したときは、面倒くさそうに聞かない(喜んで聞く)。

 つまり、情報を正しくPMに上げることが「美徳」「よいこと」という具合にもっていくことである。

PM: 何か気になることがあれば教えてほしい。
メンバー: 問題ではないです。
PM: そう。問題でなくてもよいから、君から見て気になることを教えてほしいな。そうでなければ、僕の仕事は何もないからな?
メンバー: 正常ですが……。ただ、相手の部長クラスの発言がやや気になるのですけれど……。
PM: そうなの。どんな感じに?
メンバー: そうですね……。先方の事務マニュアルを作成する要員がいないみたいなんです。こっちは人はいるのか、いつから手があくのかなんか聞いてくるんですよ……。向こうの仕事だから、こちらには関係ないのですけれども。
PM: なるほど……。それは危ないかもしれないな……。
メンバー: どうしてでしょうか?
PM: 要は、人がいない、または、マニュアル作成時期に忙しいのかも知れない。そうすると、システムテストフェーズのユーザテストと仕様最終確認時に先方がバタバタして混乱している可能性がある。念のために、今から話をしておいたほうがよいな。君のおかげで危ないことを知れたよ。君のおかげだ。
メンバー: なるほど……。そんな情報もリスクコントロールの重要情報となるのですね。
PM: そう。こんな情報がプロジェクトを失敗から救うんだよ。ありがとう。これからもよろしくお願いするよ。
メンバー: 了解しました。

 こんな具合に会話できるようになれば、そのPMは非常に優秀である。

 次回は、「常に一緒に考える」について説明する。


■芦屋 広太(Asiya Kouta)氏プロフィール
芦屋広太氏 OFFICE ARON PLANNING代表。IT教育コンサルタント。SE、PM、システムアナリストとしてシステム開発を経験。優秀IT人材の思考・行動プロセスを心理学から説明した「ヒューマンスキル教育」をモデル化。日経コンピュータや書籍への発表、学生・社会人向けの講座・研修に活用している。著書に「SEのためのヒューマンスキル入門」(日経BP社)、「Dr芦屋のSE診断クリニック(翔泳社)」など。

サイト : http://www.a-ron.net/
ブログ : http://d.hatena.ne.jp/officearon/
連絡先 : clinic@a-ron.net

 
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