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特集2:新連載 平田周の「採用した新卒社員を3年で辞めさせないために」第1回 若者はなぜ3年で辞めるのか?
三田教育研究所首席研究員 平田 周(プロフィール
 超一流企業でも平気で辞める若者たち
 『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(城繁幸著 光文社新書2006年)がロングベストセラーになっている。人事担当者や経営者がこの問題に頭を痛めている証拠だといえよう。以前、東京電力株式会社の採用人事の担当の方と会った時も、なぜウチのような安定した優良会社を3年で辞めてしまうのかわからない、と顔を曇らせておられた。

 少し古い人間からすれば、超一流会社に入れば一生安心して暮らせるし、社会的地位も高いのになぜ折角の恵まれたチャンスを捨ててしまうのだろうと思ってしまうのも無理はない。働くというのは、家族を養っていくための生活の手段だと思ってきたのだから。世間並み以上の生活ができるのであれば御の字ではないか、と考える。世間の目も、一流会社勤務だと知れば、個人の能力とは関係なく、優秀な人だと思ってしまう。事実、生涯年収にすれば、中堅・中小企業に勤めた場合よりも2倍以上の差がつくであろう。さらにこれに年金や社会福祉での有利さが加わる。それなのに、あっさりとその特権を捨ててしまう。

 なぜ辞めるのか
 上述のベストセラーの著者城繁幸氏は、世間的には若者が「わがまま」になったこと、「忍耐不足」であることを理由にあげているとし、これに同意しながらも、それ以上に年功序列や、能力主義などが強く影響していると指摘する。仕事のミスマッチング、すなわち本人が望んだ、あるいは期待した職業と現実に配属された仕事が適合しないという問題も理由にあげている。年功序列制の破綻から、将来に期待が持てなくなったせいだともいう。

 一般的には、若者たちが、「なぜ働くのか」という問いに答えを見出せないことにあるとする意見もある。昔のように、メシを食うため、家族を養うためという理由が絶対的なものではなくなっている。生きることの意義は、生きていてやることの価値にあるはずだと彼らは考える。労働を金銭に代えるだけでは満足できない。しかし、自分が意義ある仕事だと思うものがはっきりとしないとか、これこそ価値ある仕事と思っても、今度は自分の能力が十分でない。そこから、自分自身について悩むことになり、「自分探し」といったことに問題を置き換えていく。

 これに対して、大人たちは、仕事というのはどのようなものでもやっているうちに価値が見出されてくるものだし、低レベルの仕事から始まって次第に高度の仕事へと進化していくものだと諭す。

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