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特集4:顧客志向の次世代マーケティング ”顧客見える化”の視点から ]V 「見える化」の量と質の分析と「RFM法」
デジタルハリウッド大学/デジタルコミュニケーション学部 教授 匠英一(プロフィール
 全体の80%の利益を産み出している優良顧客はその20%とよくいわれます。そのために、顧客ランクを定量的に見える化する方法を今回は紹介しましょう。すでに小売業界でよく知られている「RFM法」ですが、便利な分析ソフトも市販されているものの本当に有効活用されているとはいえません。
 顧客分析ソフトは確かに便利なツールですが、その原因を教えてはくれません。その根本には、売り上げ中心の狭い見方でしか顧客を見ていない問題が横たわっているからです。

■RFM法による顧客ランク付けの原理

 RFM(Recency, Frequency and Monetary)分析は、顧客の購買行動をベースにした分析法です。どの顧客が販促効果があるのか、優良客のランク化をするなどを分析します。図1にあるように、3つの指標を用いています。Recency(最近購買日)は昨日の客のほうが去年の客より優良ということを、Frequency(購買頻度)はより多くの回数を問題にし、Monetary(購買金額)は顧客当たりの売上げ額の大きさを表しています。この3つの指標の積(R×F×M)を計算して顧客のランク付けをするというわけです。

■RFM法の実践的活用のポイント

 RFM分析の実践で注意したいのは、単純に売上げの高い順番にリスト化して顧客を選ぶのとは違う点をよく理解しておくことです。
 たとえば、コンビニなどの日常品を売る企業では、1回当たりの購入額は平均700円程度だといいます。この場合、購入金額Mよりも購入回数Fがより重要な指標と考えられます。そのため得点を計算するときには、R×F×M=5×5×5ではなく、回数のFを2倍する形で5×(2)×5×5とするよう工夫をするのです。つまり、その重みを表すのに係数を付ける形で計算するわけです。
 このように、それぞれ指標には重みがあり、業界業種により適切な形に変えて計算をすることが重要となります。

■RFM分析の間違った利用と課題

 一般企業でのRFM分析の活用がうまくいかない理由は、重み付けをするノウハウがないことです。特に蓄積されたデータを仮説検証のPDCAで回すような実践のサイクルを作れないことです。
 これは現場のマーケティング能力の問題ですが、それを統計的知識がなくとも簡易に活用できる分析ソフトを利用することをお勧めします(例:ミリオネット社のソフト「絞り.com」)。
 こうしたソフトを活用することにより、3次元または2次元で表す形で、どの顧客ランクの領域をより高いランクにアップするかを「見える化」するのに役立ちます(図2参照)。
 定量的な分析は数字に惑わされるようで、統計的な理解がないと難しいように思われます。ところが、RFM分析でもわかるように"重み付け"といった訂正的な部分が本当は不可欠なものなのです。それは、現場での人が経験の試行錯誤の中で判断する部分であり、それが定量的な分析のキーともなるというのは分析の専門家にとっては皮肉ともいえるものでしょう。


■匠 英一(Eiichi Takumi)プロフィール
匠 英一氏 デジタルハリウッド大学/デジタルコミュニケーション学部:教授
和歌山市生まれ。東京大学大学院教育学研究科を経て東京大学医学部研究生修了。
90年より(株)認知科学研究所を創立。95年より中堅IT企業に入社し、インターネット活用の企画営業や顧客管理(CRM)のコンサルに従事。これまで11の異業種団体や資格団体を創設。公的な役職として、中央職業能力開発協会OA検定中央委員、CRM協議会理事・事務局長、早稲田大学客員研究員など歴任。
 現在は上記大学の教授職を兼務しながら、(株)人財ラボ(上席研究員)と(株)ミリオネット(非常勤取締役)などで顧客サービス発想法、eラーニング、CRMシステムのコンサル業務に従事。
 著書には、「顧客見える化」、「心理マーケティング」、「CRM入門」訳、「カスタマーマーケティングメソッド」訳、「意識のしくみを科学する」、「イラストでわかる心理学入門」等多数あり。
E-mail:takuei@netlaputa.ne.jp

 
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