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特集2:平田周の「採用した新卒社員を3年で辞めさせないために」第7回 辞められるのが当然だと開き直れば
 甘い扱いは禁物
 家庭でわがままに育てられたり、叱られたりすることが少なくなった現代では、会社に入ってもその延長線にある若者は多い。そういう者に、やれ困ったことはないか、辞めないでくれと甘い言葉をかければ、自分は正しいのだと錯覚するようになっても不思議ではない。
 辞めたいなら辞めればいいというようなつき離しも必要である。嫌だと思ったら、いくらなぐさめても、すかしても、容易には修復できない時代になっている。離れた視点から、どうすればこの人の能力は活かされるか、幸せになるには何が必要かを冷徹に見てあげることである。それはいつか相手に伝わる。ヘタにちょっかいは出さない。少し距離を置いて暖かく見守る。いつでも相談に来られるよう扉を開いておく。
 大胆に叱れとか、いつも相手をほめることを忘れるななど、リーダーへの忠告が多く語られているが、小手先ではうまくいかない。その人の性格にもよる。それを法則のようにするには、あまりに複雑である。

 辞めるか、辞めないか
 それぞれの人の人生である。強制することはできない。早くに辞めて成功した者もいれば、辞めなければよかったと臍を噛む人もいる。それを強いる権利はないし、できもしない。
 だからといって、なるようになると、放置しておくというのではない。会社にとって手放したくない人材かどうかという評価がなされなければならない。どうしてもこの人物はわが社で育てたい、活躍してもらいたいということであれば、それなりの接し方や扱い方があろう。
 採用した人たちを誰も同じように見てはいけない。それぞれがまったく独立した、自分の事情と考えを持った存在であることを忘れないことだ。集団主義との決別は、一般社員だけでなく、経営者や管理職にも求められる。

 自分自身を見せるしかない
 親に逆らう子供たちだが、親の生き様や行動には驚くほど敏感であり、熟知している。だから、日頃の自分のやり方や自分ではできないことを相手にいえば、あっさりと軽蔑される。
 職場も同じだと思う。見ていないと思っていることでも、部下はよく見ているものだ。それが尊敬にも、軽蔑にもなる。辞めるなら辞めろといえるほどの自分にまずなることが求められているのではないか。


■平田周 氏プロフィール
平田周氏 三田教育研究所首席研究員
どうしたら若い人たちの知力、思考力、英語力を高めることができるかを研究しています。大企業、外資系企業、中小企業などでの勤務、ベンチャーの立ち上げ、大学で教鞭など、さまざまな体験をしてきました。元東京工科大学大学院バイオ・情報メディア研究科客員教授。専攻:国際情報論。

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