企業インタビュー

社長自ら「DXプロフェッショナルレベル」認定を取得。 役員も認定を目指し、全社に本気度を示した【eラーニング1万問】 「DX検定™」受検をトリガーに自ら学ぶ組織へ

株式会社フューチャーイン様

【写真左】経営企画部 齊藤 昇様  【写真右】取締役 管理本部長 野田 智明様

株式会社フューチャーイン様は、民需、公共系市場に、情報提供、コンサルティング、システムの導入、サポート、保守まで一貫体制でサービスを提供されている独立系のシステム会社です。2022年6月で創立35年を迎えられ、「新しい価値の創造にチャレンジ」という企業理念のもと、新しい価値を追求し、プラス思考でチャレンジを継続されています。 今回は、同社が「DX検定™」を全社員で受検された背景と、実際に80%を超える驚異のレベル認定率にいたるまで、どのように学習を推進されたのか、また、受検は社内にどのような影響を与えたかについてお伺いしました。

■Profile

野田 智明様

1994年入社。一貫して営業に従事、主に民需の顧客を担当した後に、静岡支社に異動。2022年より現職にて全社の管理本部を統括。

齊藤 昇様

2013年入社。人事部にて全社教育業務に従事、主に新入社員教育を担当した後に、2019年、経営企画部に異動。現在は事業計画推進を主に、DX推進も担当。

(※所属部署、肩書、インタビューの内容等は、取材当時のものです)

全社で掲げた「DX検定™レベル認定者:従業員の50%取得」目標

――本日は、お時間をいただきありがとうございます。フューチャーイン様が全社で「DX検定™」を受検された経緯をお伺いする前に、貴社におけるビジネス環境の変化について教えていただけますか?

野田様  当社の事業領域は民需・文教・公共・受託事業という4つがあり幅広い分野のお客様にソリューションを提案していますが、 その柱であった「文教事業」において、この2~3年で大きな変化がありました。 2019年に国から出されたGIGAスクール構想により、従来のパソコン教室ビジネスから転換を迫られ、これまでと大きく変化したのです。 そのような状況下において、全社一丸となって、新ビジネス、DXへ舵を切る必要がありました。

――具体的なDX推進に向けた取組みについては、貴社Webページにも掲載されていますが、どのような目標を掲げられたのでしょうか。

野田様 DX戦略はホームページに掲げている通りですが(🔗)、それを推進させるための目標として、「DX人材育成目標」を以下の通りに掲げました。

■全社DXリテラシー向上
DX検定™レベル認定者:従業員の50%取得


■DXテクノロジー専門人材育成

技術認定の取得(AWS、データサイエンティスト)
デジタルマーケティング人材育成(Webマーケティング、サイト設計スキル)

――「DX検定™」を全社で受検されるだけでなく、レベル認定率「50%」を目標にされたのですね

野田様 「DX検定™」に関しては、社長の号令のもと、社長以下全員、役員はもちろん、経理など事務担当に至るまで、受検をすることを決定しました。一番危機感を感じたのは役員で、レベル認定を逃すわけにはいかない、恥ずかしいぞ、ということで物凄く勉強しました。

レベル認定率、驚異の「80%超」を実現

――確かに貴社の皆様は、驚くほどの認定率の高さでしたね。

▲5000問以上、eラーニングを実施され、「AI」等の 新技術を語れるようになった、 と野田様

齊藤様 おそらく「DX Study eラーニング™」を一番社内で学習したのは役員の一人で、総回答数1万問を超えて実施していました。

野田様 私もeラーニングはのべ、5000問以上は軽く、何度も学習していました。そうなると、新聞を読んでいてもキーワードがわかるようになります。例えば先日も朝刊トップにトヨタ自動車の「全固体電池」に関しての報道がありましたが、今までは読み飛ばしていたかもしれません。今はそこに注目することができ、朝礼でもそういった話題に触れることができるようになっています。

――そこまで上の皆様が真剣に取り組まれたとなると、全社に「やらなければいけない」という雰囲気が醸成されていたのではないでしょうか。

野田様 全社にもかなり緊張感が出て「やらなくてはいけない」という雰囲気が醸成されていました。 また「DX検定™」に関しては、NECさんからご紹介いただき、一昨年にまず選抜で、当社でも優秀な人材に受検してもらいました。ですが、ハイパフォーマの彼らでも「レベル認定」に手が届かなかった者もいました。そこで「DX検定™」は手ごたえのある検定で、舐めてかかるとまずいぞ、しっかり勉強しなければレベル認定されないぞ、という共通認識が生まれた事が良かったのかもしれません。

齊藤様 これは今まで公表してはいなかったのですが、対外的には認定率「50%」を目標と出していましたが、そうなると半分は認定されなくても良い、という認識になってしまってはよくないとして、役員から「80%」を目指すぞ、と宣言してもらいました。現在、実際に認定率「80%」を超えています。

経営陣が示した覚悟から、全社が「本気」で取り組んだ

▲齊藤様が社長に「DX検定™」を実施してくださいと直談判された。

――それは素晴らしいですね。最初から貴社の皆様は好意的に受検を受け止められていたのでしょうか?

野田様 いえ、当初はネガティブな声もありました。

齊藤様 私の知る限り、当社で全従業員へ資格認定取得をミッションとしたのは初めてでしたし、発表した際は、「齊藤、そこまでやるんか」という声が耳に入ることもありました。ですが、社長以下役員も含め、全社で取り組む、ということで納得感があったようです。

――社長様、役員の皆様のDXに取り組む「覚悟」が伝わったのですね。

齊藤様 「経営陣の覚悟」を伝えるのは、事務局としても重要視していました。社員に「本気度」が伝わったのではないかなと、思います。今回認定率「80%」を超えるという結果につながったのは、正直ここがポイントだと思っています。

――全社でのお取組みに際し、どのように学習されたのでしょうか。「DX Study eラーニング™」を実施していただきましたが、それ以外にも何か企画はされましたか?

齊藤様 事あるごとに、「どうだ、やっているか?」と声を掛け合う姿が見られました。 またeラーニングの進捗を週1ペースで報告していました。その際は、先んじて検定を受けた方のコメントや、eラーニングだけでは高得点はとれない、というような受検した方だからこそわかるような、リアルな内容の発信も全社にしていました。

「勉強会」の企画が自主的に提案された

▲社内から自主的に声が上がった「自主勉強会」の資料。 106枚にも及ぶ分厚さ。

――勉強会などは実施されましたか?

野田様 前年試しに社内のハイパフォーマに受検してもらいましたが、その中から、自主的に「勉強会をやりましょうか」と声が上がりました。

齊藤様 「こういう勉強をするとよい、このように問題に取り組むとよい」といった講習会を、Zoomで3回ほど企画してくれたのですが。PowerPointの資料を確認してみますが……106枚もありました。動画も撮ったので、参加できなかった者はそちらを視聴したと聞いています。また現場現場で、自主的に勉強会を行ったとも聞いています。

――自主的に企画されて、この資料の厚みは素晴らしいですね。

野田様 社内のクラウド担当の急先鋒といえるエース社員なのですが、彼は仕事が大変忙しいにもかかわらず、そして、こちらから一言も頼んでいないのにもかかわらず、自主的に声を上げてくれたことが大変嬉しかったですね。
少し先走ってしまうかもしれませんが、次の目標として、現在クラウドの商談がものすごく増えているため、AWSを語れるようになろう、ということで営業職はAWSの資格取得を目標としています。
そこでも3年目ぐらいの若手が「自主勉強会」を企画してくれていまして、非常に資料もよくできていて、合格への助けになりそうです。

齊藤様 「AWS Certified Cloud Practitioner」取得を目指していますが、対外的には「30%」目標としていますが、社内では全員取得を目指しています。

「DX検定™」の学習を通じて、自主的に学ぶ文化が成熟

――若手の方からも、自主的な学びの提案が出ているのは、素晴らしいですね。

齊藤様 元々、教育には時間もコストもかけようという会社ではありましたが、このような動きは「DX検定™」以降だと思います。自社内で学びを波及させていく動きが加速したのを感じます。それも若手から発信されている、そしてそれを良しとして認めてあげている、という良いサイクルに入っていることも感じています。

――そのほかに「DX検定™」を受検したメリット、受検される前と変化した点はございますか。

野田様 お客様と会話ができるようになった、という点が一番のメリットだと思います。AIという、それまで手が出しにくかった領域で、積極的に商談ができるようになった、というのは大きな変化です。正直なところ、勉強する前は「AIはよくわからないもの」と思っていましたが、学習して一気に「なんとなくはわかるようになった」というのは実感しています。

齊藤様 お客様と語れるようになったこと、というのはもちろんメリットと感じます。また「DX検定™」をトリガーに、学ぶことや知識吸収のマインドが変化したことが、大きな変化だと感じます。学ぶことで仕事が発展すると現場が実感してくれた、いいきっかけになったと思います。

野田様 「フューチャーインパクト」という社内の企画コンペ、社内提案制度がありますが、昨年から明らかに出される内容に変化がみられました。AIやメタバース関連といった一歩進んだ技術を使った提案が出てきていて、嬉しいことでした。今年末のコンペもとても楽しみです。

齊藤様 まさに変化が形になりはじめています。

野田様 今後は尖った提案が出てくるかもしれませんね。

「DX検定™」を社内共通語化、ひとつのスタンダードに

――最後に今後「DX検定™」をどう活用していかれたいか、または期待することはありますか?

野田様 全員の共通知識として、ITに関わらない部門の従業員も受けるような、ひとつのスタンダードにしていきたいと考えています。

齊藤様 さらに、DXのビジネス事例を知ることができるようになるといいかなと考えていますので、「DXビジネス検定™」にも興味がありますね。

――本日はお忙しいところ、誠にありがとうございました。

【編集部より】
社長、経営企画、人事と三者で「中途半端にやるより、全社でやって土台を作ろう」と覚悟を決められて、社内のムードを作られたことが高い認定率の秘訣だと感じました。
その覚悟の強さは、社長自らが「DXプロフェッショナルレベル」に認定された事にも表れています。
また、全社で声をかけあったこと、自主的な学びのサイクルを作られたことが成功の要因と思われます。
さらに、「学んだ」「認定された」で終わらせるのではなく、実際のビジネスにも好影響が出ている、という点が大変嬉しいお話でした。今後「フューチャーインパクト(社内企画コンペ)」で学びを活かされた素晴らしい企画が提案され、実現されることを祈っています。

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