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特集4:現場の事例で学ぶマネジメント連載 ヒューマン・マネジメントのテクニック(21)
 行動の方向性とは方針を受けて、ブレイクダウン行動計画のことである。
今回のプロジェクトの目的は何か
何かプロジェクト阻害要因はあるか
何かプロジェクトを成功させる可能性を増加させる要素があるか
目的を達成するために自分のグループが行う行動の指針は何か
それをどうやってメンバー間で共有するか
グループの行動指針を受け、自分は何をするのか

 このようなことを考えながらプロジェクトの方針を確定するのだが、メンバーにこのような行動をとらせるのが方針徹底のタスクとなる。
 そして、方針徹底したことがプロジェクト期間中継続するようにメンバーのモチベーションを維持するのが「動機付け」である。ただし、動機付けは以降も継続的に行わなければならないので注意が必要だ。
 
 ●高い動機を維持させるための方策が必要

 動機は、一度高めたらそれでおしまいというものではない。プロジェクトには、さまざまな事件、事故が発生し、メンバーのモチベーションを低めるように働く。反対に、難しい機能がうまく動けば、メンバーの感情は盛りあがり、モチベーションも高くなることも多い。

 しかし、基本的には、プロジェクトは、メンバーのモチベーションをマイナスに誘引する事象の方が多い。だから、放っておくと、メンバーのモチベーションは下がっていくこと考えるべきだろう。そして、モチベーションが下がったメンバーは、ほかのメンバーのモチベーションを下げていくから大きな問題になる。

「どうせ、うまくいかない」
「あいつがだめだから、自分がこんなひどい目にあっている」
「もう、仕事を変わりたい」
「自分は、与えられた仕事だけをやる。プロジェクトの成功は関係ない」

 このようになったらもう終わりである。このようなプロジェクトを立て直すことはほぼ不可能だといえよう。だからこそ、そうなる前にメンバーを動機付け、それを維持させなくてはならない。

 動機付けにはさまざまな方法があるだろう。しかし、大事なことは、リーダーが元気つけることである。元気のない人は嫌われる。元気があって、問題を解決できるリーダーは、メンバーを引き寄せるのである。そして、このようなリーダーが、メンバーと会話し、悩みを聞き、アドバイスをすることで、たとえ、簡単に問題が解決できなくても、メンバーは満足するものである。

 満足――これがキーワードである。プロジェクトが困難に直面していても「満足できる」。こんな動機付けを行うことで、モチベーションは高く維持できるのである。

 では、どんなことをすればそれができるのか。それは、次回に説明することとしたい。


■芦屋 広太(Asiya Kouta)氏プロフィール
芦屋広太氏 OFFICE ARON PLANNING代表。IT教育コンサルタント。SE、PM、システムアナリストとしてシステム開発を経験。優秀IT人材の思考・行動プロセスを心理学から説明した「ヒューマンスキル教育」をモデル化。日経コンピュータや書籍への発表、学生・社会人向けの講座・研修に活用している。著書に「SEのためのヒューマンスキル入門」(日経BP社)、「Dr芦屋のSE診断クリニック(翔泳社)」など。

サイト : http://www.a-ron.net/
ブログ : http://d.hatena.ne.jp/officearon/
連絡先 : clinic@a-ron.net

 
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