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次に、「仕事における視点の高さ」について考えてみます。視点の高さとは、仕事の広さや大きさとも言えます。
例えば、社内で一番高い視点で仕事をしているのは社長です。社長は、インプットとして人・物・金を投入し、経営というプロセスを効率的に運営することで、アウトプットつまり製品の販売を最大化し、付加価値に応じた利益を生み出すことが仕事です。社長の視点で仕事を捉えると、顧客、取引先、投資家等のステークホルダーと自社の関係で仕事を考えられるようになります。部長の視点では、開発、生産、営業等、業務機能レベルで仕事を考えます。一方、最も視点の低い社員では、仕事を日々のトランザクションで捉えています。
仕事の達人になるには、前出の「処理の効率化」だけではなく、「処理の高度化」も図っていく必要があります。つまり、更に高い視点から仕事を捉えることが非常に大切なのです。確かに自分のポジションよりも高い視点で捉えると自分の仕事と関連業務の関係がよくわかります。またその視点とは、まさに上司の視点でもあるのです。つまり、上司以上の視点で仕事を捉えられれば、上司の考えの良し悪しが、よく見えるようになります。結果、上司の思考を超えたアウトプットが出せるようになるのです。これが上司を唸らせる達人の仕事の域です。今回の問題例にある「視点のずれ」はこのような部分にも原因があったのです。
以下に「仕事の視点の高度化」についてのイメージ図を示します。この図にあるように常に自分のポジションよりも上位の視点を持つよう心がけることで仕事の達人となれるのです。
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【思考の流れ】
今回の思考の流れは、まず仕事を「処理」と定義することが肝心です。
その後以下の流れで、考え・実行していきます。
(1)情報収集 |
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クライアント(上司)の期待のコントロール |
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現在の職位よりも高い視点で仕事を捉える |
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アウトプットのイメージ化と関連情報の絞り込み |
(2)整理・分析 |
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アウトプットイメージに合わせた情報整理・分析 |
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処理能力向上・高度化のためのスキル強化 |
(3)統合・解決策の導出 |
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クライアントの期待に応えるアウトプットの作成 |
(4)プレゼンテーション |
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クライアント(上司)の期待に合わせた要点整理 |
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クライアント(上司)の視点からアウトプットの説明 |
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■小泉 雅史(Masafumi Koizumi)氏プロフィール |
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カリフォルニア大学アーバイン校 経営大学院卒業(MBA)
ブランドハンドバッグメーカーにおける商品開発・営業を経て、日本IBMに入社。ビジネスイノベーションサービス(現 IBM ビジネスコンサルティング サービス)戦略グループに在籍し、大手企業を中心としたさまざまな戦略・業務・システム関連のコンサルティングに従事。
その後、大手化粧品メーカー経営戦略室にて全社成長戦略の策定等を手がけ、
現在は、ベンチャー企業の取締役及び経営コンサルタントとして活躍中。 | |
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