活用事例

ソフトバンク株式会社 様

ソフトバンク 約20,000人の全社員に向けた リモートワーク下での人材育成と能力の可視化とは
~「英語」「統計」「IT」は全てのビジネスマンの土台に必要な能力~

オリジナル検定 開発事例

ソフトバンク株式会社
人事本部 採用・人材開発統括部
人材開発部 人材開発2課
課長 奈良 祐輔様

主なご利用サービス
自社オリジナルの「社内検定」の
企画設計・構築・運用
(分野:IT、モバイルNW、先端技術)

ソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)は、ソフトバンクグループ株式会社の子会社。日本の大手通信事業者で、1986年に設立。通信事業を基盤に最先端テクノロジーを活用してあらゆる産業の課題や社会課題の解決に正面から取り組み、経営理念である「情報革命で人々を幸せに」の実現に向けてまい進されている。

今回は、人事本部 採用・人材開発統括部 人材開発部 人材開発2課 課長の奈良祐輔様にソフトバンクの人事部門での全社的な人材育成の取り組みの概要と、その一環である、テクノロジースキルの可視化の具体例について、お話いただいた。
奈良様は、2009年にソフトバンクモバイル(株)に入社され、情報システム本部 ITサービス統括に所属。その後、2013年にジョブポスティングにより人事本部 人材開発部へ異動。現在、ソフトバンクユニバーシティの企画・運営やICI(社内認定講師)制度、SBU Techのコンテンツ企画、社外研修の提供を担当されている。

本記事はリーフレット(PDF)をダウンロード頂けます。
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主体的な人こそが学ぶ機会を得て、成長する
コンセプトは「自ら手を挙げた人に機会を提供する」

ー 貴社の人事部門における全社的な人材育成施策の概要について、教えてください。

我々人事本部 人材開発部の役割は、事業に必要な人材の成長をサポートすることです。その成長をサポートする機関として、大きくは「ソフトバンクアカデミア」「ソフトバンクイノベンチャー」「ソフトバンクユニバーシティ」の3機関が存在します。

「ソフトバンクアカデミア」が次期後継者を育成する機関で、社内外から公募をしています。

「ソフトバンクイノベンチャー」が社員による新規事業の提案制度で、事業の立ち上げ支援を行います。一定の審査を通過すると、事業化検討のための予算がついて、事業性が認められれば実際に事業を立ち上げていきます。

「ソフトバンクユニバーシティ」は、経営理念の実現に貢献する人材を育成する機関です。

ー 「ソフトバンクユニバーシティ」について詳細を伺えますか?

「ソフトバンクユニバーシティ」の役割は、事業に必要な人材の成長のサポートが常にできるように研修を組織化することで、自ら手を挙げた人、意欲的な人に機会を提供しています。

そのため、集合研修を79コース、オンラインでの研修を40~50コースと豊富に提供しています。
集合研修は、年間延べ10,000人以上が受講しています。

ソフトバンクの研修機関の特長ですが、アウトプット中心、実践に重きを置いた学習内容で、意欲の高いメンバーが参加していることでしょうか。

総勢約110名の「社内講師陣」による、実践的で業務に役立つ研修を提供

ー 講師陣は社内講師と伺いました。

110名以上の講師陣は社内の「研修講師」です。自らの仕事もありながらすべてボランティアで登壇をしていただいております。現在はコロナ禍ということもあり、44コース(2021年1月時点)をオンライン研修として実施するなど状況に合わせて内容も更新しています。

机上の理論ではなく、現場で培われたノウハウを研修に生かす、また研修内容が実際の業務に紐付いていて、「翌日からすぐに実践できる内容」になっています。社員が講師を務める研修だからこそ、業界や社内で必要な知識が研修に盛り込まれています。ソフトバンクユニバーシティの研修は、実務家であるこれらの優秀な講師陣によって支えられています。

リモートでも、学びを止めることなく、研修を提供するための工夫

▲エンジニアとして入社され、後に自ら人材育成に携わりたい、と手を挙げて人事部に異動された奈良様。現在全社のIT人材育成に情熱を傾けていらっしゃいます。
▲エンジニアとして入社され、後に自ら人材育成に携わりたい、と手を挙げて人事部に異動された奈良様。現在全社のIT人材育成に情熱を傾けていらっしゃいます。
ー コロナ禍における、研修のオンライン化に際し、どのように工夫されていますか。

20020年は、コロナ禍にあり、集合研修が開催できずZoomなどのオンライン研修に移行してきました。

最初は、コロナ禍に研修を実施するのかという疑問の声もありましたが、一度経験すると移動時間の短縮、場所に捉われない等のメリットも多く、受講者からも臨場と変わらない品質の研修を受講することができたという声をいただけています。

ー 実際に研修のオンライン化に際し、どのような工夫をされているのでしょうか。

「研修のゴール設定の変更」、「研修時間の短縮化」、「オンライン化に適した研修の明確化」、この3点をポイントにオンライン化しました。

しかし、どうしてもオンラインではカバーできない研修もあります。
その場合単に学習の機会を減らすのではなく、動画形式のeラーニングや電子書籍等を活用し、ソフトバンクユニバーシティ流の新研修を創造していきたいと思っています。

「英語」「統計」「IT」はビジネスマンとして生きていく上での土台

ー 貴社では、全社として「英語」「統計」「IT」を重要視されていると伺いました。

どれもすべてのソフトバンク社員に不可欠な能力です。英語はしかりですが、統計、さらにIT知識はIT・通信会社としてコア技術となるため、必要不可欠です。

それらの知識を可視化し、自分のスキル強化をするために、3施策を社内検定として提供しています。

ー 導入時の社員の皆様の反応はいかがでしたか?

正直、自分もそうですが最初から意欲的であったわけではありません。しかし会社自体が日々学習という体制になっており、その結果社員が主体性をもって勉強できているのだと思います。

ITスキル可視化のポイントは、市場基準での能力の「見える化」

ー ソフトバンクユニバーシティ テクノロジー(以下、SBU Tech)における「IT検定」導入の経緯や、現状についてお聞かせいただけますか。

SBU Techの位置づけは、テクノロジースキルの育成を柱とした社内の育成機関の名称です。
2016年から、ITのアセスメントとしてIT検定を導入することにしました。

IT検定につきましては、営業・エンジニアに関係なく、ソフトバンク全社員が受検対象となっています。ソフトバンクではさらなるITスキルのレベル向上上げに向けた、ITスキルの可視化が必要と感じ導入することにしました。
そこで、様々な検討をした結果、この分野で一番の専門企業である御社と共同開発を行うことで、社内検定としての「IT検定」を実現させました。
導入にあたって重要視した点ですが、IT検定は社内の基準だけでなく、社外基準、市場基準で評価できるように設計したいと考えました。

具体的にいうとITSS(編集部注:ITスキル標準)に準拠し、営業・企画職、エンジニア職がそれぞれ目指すべき目標を設計し、テスト形式であるということ、またテスト後にスコアが表示されるとともに、情報処理試験の合否のシミュレーションができる機能などを、共同で開発できたところもよかったと感じます。

ー IT検定は、必須受検なのでしょうか。

必須ではありません。こちらも先に述べました通り、社員の主体性を重視していますので強制ということはありません。
しかし、スキルの可視化と学習のサイクルを回すために、研修の受講条件にIT検定を受けていることなどを前提条件と設定している研修もあります。

ー スコアは社内異動などに活用されているのでしょうか。

1.人材育成用途2.社内異動制度 での参考情報として活用しています。
育成用途では、個人が自分の 強み・啓発ポイント を把握し、自己理解を深めスキルアップの参考情報としています。 また、一部の部門では、個人の検定のスコアを集計化し、部門の研修計画の参考情報としても活用しています。
また、社内異動制度では、自分が希望する部署にエントリーする際に、参考情報として一部の部署にて活用しています。

前述と重なりますが、ソフトバンクのすべての社員においてはが、ITスキルや新技術をキャッチアップしていくことが不可欠です。
たとえば「モバイルネットワーク」「AI」「IoT」「ロボット」等に関しては、最先端のトレンドを社外でも通用するレベルで理解しておかなければなりません。

ー 今後、奈良様が人材育成領域での実現したいことを教えてください。

研修は学んで終わりではありませんので、いままで以上に実践で知識を活かせるような、研修のラインナップを拡大させたいと思います。

ー 本日はありがとうございました。

【編集部より】
お話を伺い、ソフトバンク様の研修においては、学習のスタンス・姿勢が「自ら取りに行く、主体的に、意欲的に」という点で他と大きく違うという感想を持ちました。講師陣の情熱や、全社での人材育成にかける熱量も印象的です。
全社の人材育成の中に早い段階から「テクノロジー」という柱がある点は、ソフトバンク様が業界を圧倒的にリードしている一因と感じます。

またリモート下のオンラインによる育成が当たり前になっている現在だからこそ、能力の見える化をサポートし、個人の成長を加速する仕組みがますます重要となりそうです。

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